「春よこい」という結びには、努力の先にある合格や成長を信じて待つ、保護者の切実で温かな願いが込められており、押しつけがましさのない応援のかたちが印象的でした。
受験生本人の奮闘と、それを照らす家族のまなざし、その両方をたった十七音で描き切った、情景と感情が深く響く秀作です。
また、近年世界各地で紛争が起きている現実を背景に読むと、未来を担う子どもたちが暴力ではなく学びによって道を切り拓いていく姿としても受け取ることができます。「小さな勇者」という表現には、懸命に挑む受験生本人の姿だけでなく、その背後で見守り、支える保護者や周囲の大人たちの存在までもが感じられました。
多層的な読みを可能にしながら、受験生へのエールとしても力強く響く、印象深い良作です。
受験というと、どうしても本人の努力や保護者のサポートに目が向きがちですが、この句は家族全体で受験を支える姿を軽やかに切り取っています。とくに、受験料という現実的で“今っぽい”題材を扱いながらも、嫌味や重さを感じさせない点が印象的でした。
笑いの中に、家族の絆と応援の気持ちがしっかりと根付いており、幅広い世代が共感できる逸品です。